知って得するフィルムの世界

身近にあるのに意外と知らない、フィルムのあんなこと・こんなこと。
覗いてみたら、ちょっとだけ世界が変わって見えるかもしれません!

連載1

『 プロが教える液晶保護フィルムの選び方 』

いまや生活の一部としてすっかり定着したスマホやタブレット、ゲーム機などのポータブル端末。普及と同時に、液晶画面を守るための保護フィルムも数多く発売されるようになった。ところがこの液晶保護フィルム。値段も種類もさまざまなのに見た目にはそれほど違いがないように見えて、正直どれを選んだらいいのかわからない!という人も多いのでは? ここではフィルムのプロと一緒に保護フィルムの選び方を考えていこう。

第一の関門、クリアかマットか。

おそらく液晶保護フィルムの売場で最初に目につくのは「クリアタイプ」か「マットタイプ」かという分類。選択にあたって、知っておくべきポイントがいくつかある。

まずは画面の見え方。クリアタイプは画面本来の鮮明な発色を損なわない為、写真や動画をみる人に適している。しかし、室内での蛍光灯の反射が気になる人は光沢を抑えたマットタイプを選ぶと良いだろう。

次に、感触と操作性。クリアタイプは若干手にくっつく感覚がある。その為、すばやい指の動きが重要なゲームを楽しみたい人にはマットタイプのほうがいいかもしれない。

最後に、傷への耐性や指紋汚れ。傷への耐性にはクリアタイプとマットタイプで大きな違いはないが、クリアタイプには『きず自己修復機能』という特別な機能を付加したフィルムも登場している。一瞬で傷がスッと消えてしまうのは、見ていて爽快だ。

一方、指紋汚れが気になるならマットタイプがよいかもしれない。指紋がつくこと自体にかわりはないが、目立ちにくいのが特徴だ。

クリアタイプとマットタイプの一般的な特性

タイプ 画面の見え方 外光 指の感触
クリアタイプ 鮮やか 反射しやすい 滑りにくい
マットタイプ ケシ調 反射しにくい 滑りやすい

※一般的な傾向であり、製品により異なります

ブルーライトカットに抗菌…話題のあの機能。

一般に、液晶画面が発する「ブルーライト」を長時間見続けることは目に負担が大きいと言われる。液晶保護フィルムの中にもこのブルーライトをカットする機能がある商品が登場している。仕事で長時間使う機器や、子どもが使うゲーム機には使用して損はない。

「抗菌」機能を持った商品も増えている。ただし過度な期待は禁物。JIS規格で「抗菌」の認定を受けた商品であっても「24時間以内に一定割合以下に菌が減少することが確認されている」という意味であり、付着した菌が死滅するという意味ではない。また、効果の持続期間にも限りがある。ただ、最近では光触媒機能を活用して、光に当てることで抗菌・抗ウィルス効果をより永く保つフィルムの開発も進んでおり、期待を集めている。

不器用な人にありがたい「貼り易さ」をウリにした商品も。一般的に保護フィルムは全面に粘着剤のついた商品が多いが、あえて枠部分のみに粘着性を持たせ貼り易くしたものだ。また、「お風呂でTV」なんていう人も増えているのでは?湯気で曇ると画面が見えにくくなってしまうが、そんな場合には超親水性コートなんていかがだろう。防曇効果で画面が見やすくなる。その他、フライパンのテフロン加工のようなフッ素系のハードコート処理を施し、ファンデーションがつきにくいことをうたった女性に嬉しい商品もある。化粧や皮脂の汚れが気になる人はその点もチェックしてみては?

「衝撃吸収」でも落とせば割れる…!? プロのぶっちゃけトーク

キャッチコピーとしてインパクトが大きいのは「衝撃吸収」機能だろう。ただしここでも知っておいてほしいことが。市販されている「衝撃吸収」フィルムの多くは、正面からの衝撃に対する耐性を高める商品だが、実はもともと液晶パネルは保護フィルムがない状態でも正面からの力には比較的強いのだ。割れてしまう要因として圧倒的に多いのは、水平方向に衝撃が働いたとき。身の回りでも、たとえばスマホを地面に縦に落としてしまった際に液晶が割れたというような話をよく聞くだろう。もし落下による破損を防ぎたいなら、保護フィルムよりもシリコン製のカバーを付けるなどのほうが有効性は高い。もちろん、液晶画面を傷や汚れから守るとなれば保護フィルムの出番だ。大切な"相棒"が少しでも長く元気でいられるように、好みに合わせた工夫を凝らすとよいだろう。

ここまで述べてきたように、ひとくちに液晶保護フィルムといっても様々な種類や性能のタイプがある。毎日何度も触れる部分だからこそ、一度は納得がいくまでこだわってみてもよいだろう。ぜひ皆さんも"フィルム選び"を楽しんでみてほしい。

※このコラムで紹介した知識については一般的な傾向であり、各商品によって実際の性能は異なります。

液晶画面保護選定選び キーワード早見表

重要視すること 対応キーワード
ゲームで使うので
指すべりのいいものがいい
AG(アンチグレア)、スムースタッチタイプ、さらさら、フッ素コート
キズを防ぎたい ガラス液晶、ハードコート、自己治癒、傷リペア、きず自己修復
画面の鮮やかさを
損ないたくない
クリア、高光沢、光沢表面、グロス、つやあり、高透明
清潔第一 抗菌、防汚、指紋防止、耐ファンデーション、フッ素コート
長時間使う目を
大事にしたい
ブルーライトカット、アイケア
映り込み・光の反射を
防ぎたい
マット、AG(アンチグレア)、AR(アンチリフレクション)、反射防止、ノングレア、非光沢
貼るときに
気泡が入るのが嫌だ
エアーレス、気泡防止、シリコン吸着
気軽に貼りなおしたい 貼り直し可能、シリコン吸着
水滴で画面がみにくい 超親水性ハードコート、曇り防止

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